Vol.2 着地衝撃に耐える筋力の強化

松井祥文コーチ ランニングコーチ レースシーズンが始まるまでに走り込みに負けない強い脚をつくり上げよう

(2015.6.4)

ランニング時のフォームから脚の動きと筋力について考えてみましょう。

さて、今回から具体的な筋トレ方法を紹介していきますが、 その前に下の図を見てみてください。赤色の左脚の動きを右から左に見ていきます。

松井祥文コーチ ランニングコーチ レースシーズンが始まるまでに走り込みに負けない強い脚をつくり上げよう

[ 解説 ]

① 左脚が地面に着地する瞬間です。
脚が身体の重心のやや前に着き大きなブレーキが身体にかかります。そのブレーキ衝撃(矢印A)に耐えるため、下半身全体、特に太ももの前の筋肉が力を出し衝撃に抗します。

② 左の足底が地面に着いて止まっている間に、膝、腰、上半身は前方へスライド移動します。
この接地時間(約0.2 秒)の間に、腰が落ち膝が過度に曲がると離地時に大きな力を自分で出さないといけないくなります。太ももの前後の筋肉の共同作業で膝が曲り過ぎないよう固定されると(矢印B)、接地時間が短く、地面反力を得て跳ねるランニングフォームに変わってきます。

③ 左脚が地面から離れる瞬間です。
左足首で地面を蹴る意識でなく、素早く後ろの左膝を前へ戻す意識を持つと、上に跳ねすぎずに、より斜め前へ跳ね、上下動が小さい効率的なフォームに変わってきます。

④ 両脚が浮いてますが、左脚は後方から前へ移動し始めます。
太ものの前、股関節の付け根の筋肉が短い時間で大きな力を出します(矢印C)

⑤ 左膝が右膝を追い抜くタイムミングです。
右足底が地面で止まっている間に右脚や臀部は大きな力を発揮していますが、左脚は一休みし、慣性で動いています。

⑥ 左脚が着地寸前です。
着地時の大きなブレーキ衝撃に備え、下半身全体の筋肉が出力準備を開始します。




以上の動きが、ランニング動作の1 サイクルです。
動画でも動きを確認しておきましょう!

今回のテーマ「着地衝撃に耐える筋力の強化」というのは…

主に①の場面で使われる太ももの前、大腿四頭筋と呼ばれる筋肉群です。前回にも書きましが、初めて5㎞を走った時、初フルマラソンの後、下り坂の多かったレースの後、あるいは故障などでブランクがあり久々に走った時、その後の太もも前の筋肉痛がすごかったですよね。5K、10K レースやスピード練習の後半などでも太もも前が重くだるくなりますよね。これらは長いあるいは激しい着地衝撃に耐えかねて、大腿四頭筋が悲鳴を上げてしまっているということです。

では、大腿四頭筋が悲鳴を上げないようにするには?

それはより短い時間や期間でトレーニング効果を得ようとすると、ランニング動作より強い刺激、過負荷のトレーニングをすることで筋量をアップ、あるいは筋力をアップするしかありません・・・よね。

大腿四頭筋に悲鳴を上げさせないトレーニング!

そのトレーニング法、今回も動画で説明します。ステップ1から2、3と順に高度(負荷や衝撃が大きい)になります。

今、筋トレを実施していない方は、ステップ1を。1を実施できている方は、1に2を組み合わせ。2で筋肉痛が以前ほど感じなくなったら、3にも取り組みましょう。

[回数/頻度]
正しい動作フォームとリズムや休息の取り方が適切であれば、筋肉痛に必ずなりますので・・・そんなに頻度は多くできないのです。
回数:1種目15~20回。30秒以内の休息で2セット繰り返し。
(目安の時間や距離を記載している種目もあります。)前回の画像【5】で休息の取り方(取らない方?)も参考に。
頻度:週当たり5種目程度を1回(日)でも実施できればますはOKです。最高でも週に2回(日)まで。

  • 【ステップ1】A. マシンが使える場合

    マシンでの「筋トレ」で、脚の筋量を増し、ケガの予防を含めた基礎土台づくりが目的です。

    [レッグプレス]
    ■準備姿勢
    ・膝よりつま先の位置を高くします
    ・座面シートの位置をできるだけ前へ
    ・背もたれシートに腰、背中、頭をしっかり押し付けます

    ■動作
    ・膝が伸び切る手前で止めるます
    ・戻す時は太ももの裏お尻の筋肉を特に意識し、膝の角度が90度まで

    [レッグエクステンション]
    ■準備姿勢
    ・座面シートに深く座るります
    ・背もたれシートに背中を押し付け、目線はやや上向きに

    ■動作
    ・足首を反らしたまま、膝を素早く伸ばす
    ・伸ばしきったら、その位置で1秒程度止めます
    ・力を抜かず、膝が直角になる手前までゆっくり戻します

    ×良くないレッグエクステンション
    ・上半身が前傾している
    ・膝が伸び切っていない、静止していない
    ・反動をつけている

  • 【ステップ1】B. マシンが使えない場合

    衝撃の少ない「自体重筋トレ」で脚の筋量を増し、ケガの予防を含めた基礎土台づくりが目的です

    [ランジウォーク]
    ・スタート姿勢は、脚を前後に大きく開き、前膝の角度は90度かそれ以上で深く曲げすぎず、腰を膝高さと同じぐらいまで落とします。
    ・後脚を前へ大きく踏み出しスタートしますが、その時、頭の位置を上下に大きくしない、地面と平行移動する意識です
    ・着用の衝撃を、前脚とお尻でしっかり受け止め、腰を膝の位置より下がらないように、ふらつかないようにピタットとまります

    [傾斜ウォーク]
    ・大股で、太ももの前を力強く速く動かし続け、50M以上の坂を駆け上がります
    ・坂の後半で歩幅が小さくないように頑張ります。

    [階段大股ウォーク]
    ・大股で、太ももの前を力強く速く動かし続け、1-2段の飛ばしで階段をを駆け上がります
    ・少し膝を曲げた状態で跳ばずに走らずに、後半の速度が落ちないように頑張ります

    [ステップウォーク]
    ・目安のスピードは160歩/分です。
    ・右脚、左脚の交互に前脚を入れ替えていきます。
    ・上り切ったら、前脚にしっかり体重をかけます。
    ・速いリズムを2分程度、継続できるよう頑張りましょう。

  • 【ステップ2】

    自分の体重を負荷にした自体重の「筋トレ」を、走動作に類似した動作やスピードで行い、走りに関連する筋の出力アップが目的です

    [バックステップランジ・スロー & ファースト]
    ・前膝は90-120度
    ・腰は前膝と同じ高さに
    ・前後の足のつま先、膝の向きを真っ直ぐに
    ・前脚を前後に入れ替え(切り替え)ます
    ・最初の10回は、頭の位置が変わらないように低い姿勢を保持しゆっくり行います
    ・その後の10回は、大きな動作で後ろに脚を最後まで蹴りだし、かつ出来るだけ速く繰り返します

    [フライングスプリット123ジャンプ]
    ・1、2のリズムで腰を小さく上げ下げし、3のタイミングで勢いよく跳び上がります
    ・着地時に前の膝を90度以上深く曲げない様に踏ん張ります
    ・膝の向きとつま先が真っ直ぐの方向に向かないと過度なストレスが膝にかかるので注意!

    [フライングスプリット連続ジャンプ]
    ・着地後に膝が曲がらない様、腰が落ちない様に、接地時間を短く休まず繰り返します
    ・腕をタイミングよく振るとリズミカルなジャンプが繰り返せます

  • 【ステップ3】

    自体重を使ったジャンプ系「筋トレ」で、出力されたエネルギーを無駄なくスピードアップ、持続力アップにつなげ、ランニングエコノミー(経済性)の改善が目的です

    [ロングスキップ]
    ・200m~400mの非常に長い距離のスキップです
    ・一歩一歩大きく上へ飛ぶことでなく、歩幅は小さめに膝を前へ送る意識で、リラックスして同じリズムを最後まで持続します
    ・足の裏全体で着地し足首をこねずに地面反発を活かして、ふくらはぎでなくお尻と太ももの裏の筋肉を使います
    ・100mを過ぎると脚が徐々に重く感じて、ゴール後かなり息が荒くなっている程度の強度になります

    [階段バウンディング]
    ・段差の緩やかな階段が最適ですが、段差のない傾斜を利用しても行えます
    ・着地は足の裏全体です。つま先ジャンプにならないように
    ・前脚が地面に着地する時に大きな衝撃が加わりますが、腰が落ち膝が深く曲がらないように、肘を回すタイミングを接地と合わせ、小さく跳ねていきます


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