ボディコーディネーション コラム
Vol.1足 部
BODY COORDINATION
COLUMN

足部の構造と動き

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足部の構造と動き

人間の筋骨格系は様々な要素が組み合わさって奇跡とも思えるような動きが可能になっています。特に足部は28個の骨と25の関節から成り立っている、ダイナミックな動きがある部位です。たくさんの関節を利用して立つ、歩く、走るなど可能にしてくれています。

足部の中でも重要な関節は、距骨と踵骨の間をなす距骨下関節と、足部の中心にあたり、後ろ部分と前の部分をわける横足根関節です。動きとともに関節の軸も動きながら複雑な動きを可能にする重要な役を担っています。

歩行時の足部自体の動きは、大雑把にいうと、踵の外側から接地して内側に倒れ(プロネーション)、また外側に戻りながら(スピネーション)、最後に母趾で蹴っていくという感じです。内側に倒れた時は足部の骨同士が緩み、柔らかくなって衝撃を吸収しており、蹴り出しに行くときには骨同士がしっかりと組み合い、足部が固くなって力を伝えやすくなります。

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自分の足のタイプを知れば
ケガの予防もしやすい

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例えば、ロボットを上手に歩けるように開発する過程で、パワーアップから始めるでしょうか?答えはNOです。動きのメカニズムを追究した上でその改善を図る手順を踏むはずです。

ウォーキングは左右どちらかの足が地面に接して進んでいきます。一方でランニングは、両方の足が地面から離れる瞬間があります。体が「空中に浮いては落ちる」を繰り返す運動なのです。そして、一歩の着地衝撃は、おおよそ体重の3倍と言われます。これが42.195KMに渡って繰り返されます。エリートランナーで約2万5千歩。以降は徐々に歩数が増えていき、4時間で4万歩。5時間で5万歩のようなデータになるようです。
体重の3倍の衝撃を敵と捉えるのか?むしろ味方として利用する走り方ができるのか?が大きな分かれ道となります。

足部の代表的な障害とは

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中足骨の骨頭部痛

足部に起こる問題は力学的なストレスによるものが大半ですが、その他に血管や神経、免疫系の問題として起こることもあります。ここでは力学的なストレスで起こる代表的な障害をご紹介します。
代表的な痛みのひとつは、中足骨の骨頭部痛です。足部が内側に倒れてアーチが低くなっている人によく見られます。主に足裏の真ん中あたりに痛みが出やすいです。
足部のMP関節と呼ばれるところで、特に3番目と4番目の間に痛みが出ることがありますが、神経腫である場合が多いです。足部の外側でよく歩く人に出やすいとされています。

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外反母趾・足底腱膜炎

親指のMP関節が曲がってしまう外反母趾は多くの人が悩んでいることと思います。足部が不安定で内側に倒れやすい人に現れることが多いです。機能的な蹴り出しができないために親指が本来の場所からずれてきてしまいます。
足底腱膜炎は過剰な動きが原因になることが多いです。足部が内側に倒れると、前足半分のところが捻れてしまい、足底腱膜にストレスがかかってしまいます。炎症が進みすぎると解決はかなり難しくなります。

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足根菅症候群

内側くるぶし付近、特にくるぶしとアキレス腱の間に腫れや痛みがあることが多いです。ここを通る筋肉や血管、神経が腫れた組織からストレスを受けてしまいます。そのため痛みやときにはしびれも出ることがあります。足根菅症候群と言われます。足部がかなり内側に倒れてくる人はなりやすいと言えるでしょう。

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疲労骨折・Jone’s(ジョーンズ)骨折

スポーツで起こりやすいのは疲労骨折です。中足骨にストレスばかりがかかってしまい、やがて骨折にいたります。特にサッカーで多いのが第5中足骨に起こるJone’s(ジョーンズ)骨折といいます。足部の外側にストレスがかかり過ぎてしまい、やがて骨折にいたります。

足部の障害をどのように防ぐか

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足部に現れる症状は多くの場合、個別に作製されたオーダーの足底板で解決に至るケースが多いです。足底にかかる圧力のかかり方を何かしらの方法で変えることによって、足部にかかる負担を変えようとするのが足底板の機能ですが、基本的には足底の形に近い形状を作り、それに可動域を制限するパッド的なもの(ポストと言われます)を着けて、足部の動きをコントロールしようとしています。

研究でも効果があることはわかっていますが、実際、関わってくる要因が多すぎて、なぜ効果的なのかはまだよくわかっていません。
しかしオーダーの足底板は高価で医師の処方箋が必要です。一方、一般的に販売されているものでも効果がないわけではありません。まずは試しに1つ購入してみて、それから判断しても遅くないでしょう。

インソールを選ぶ時のポイント

市販のインソールを購入する場合、一般的な目安として、足底が全体的にしっかりと触られている感覚のあるものがよいと思います。接地部分が多ければ、一点にかかる圧力は軽減されるからです。
足部が内側に入る傾向の強い人は硬めの物を選ぶとよいと思います。柔らかい物では十分に支えきれず、圧力のかかり方に変化を起こせないからです。
アーチの高い人、マメの多い人は、硬さはともかくアーチの形状にフィットする物がよいと思います。足底に触れる部分が増えるだけでも神経の機能上でポジティブな変化を期待できるからです。
インソール購入を検討する時に同じく考えていただきたいのが、シューズです。よく走る人などは数ヶ月で新たな物に変えるくらい、軽い運動をする程度の方でも半年から1年に一度は新たな物を購入するのがよいです。シューズが足部を安定させる力を見逃してはいけません。

膝や股関節、腰の痛みにもインソール

足部近辺の痛みにしか足底板が効かないかというとそうではありません。繋がっている膝や股関節、腰にも少なからず影響を及ぼすことが可能です。逆にこれらの部位が足部の動きに影響を与えていることも大いにあります。ですから整形外科的に大きな問題がない時(骨折がない、変性がない、靭帯が切れてないなど)は、私のような体のことを理解した治療家やトレーナーに相談して、何が問題になっているか把握するのがよいでしょう。

足部のトラブルを解消するエクササイズ

足部の問題を解決する一助となる、ご家庭でできる簡単なエクササイズがあります。それは片足立ちです。この時は足をただ単に床についているのではなく、ショートフットといって、アーチを上げた状態で立ちます。片足が難しいと感じる方は、片足をいすの上に乗せて立つ方法もよいでしょう。立っている側のお尻の筋肉を引き締めるとさらに効果的です。

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人間が歩くとき、様々な筋肉が必要なときに働いて体をささえています。インソールだけですべてがうまくような魔法はなく、体を支える筋肉も変化を起こさなければよくなることはありません。
いつまでも元気に歩けるように今から対策を講じておいて、足部や膝などに問題が起きないようにしておきましょう。

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