ボディコーディネーション コラム
Vol.2股関節
BODY COORDINATION
COLUMN

股関節の構造と動き

股関節は両足で立った時は体重の2/3を、片足の時は体重の5/6を支えるとても重要な関節でもあります。
関節をつなぎとめている靭帯は前側に恥骨大腿靭帯、腸骨大腿靭帯という2つの靭帯、後ろには坐骨大腿靭帯という1つの靭帯が関節を覆っています。可動性がありながらもしっかりと靭帯で固定されています。
股関節は屈曲と伸展(前後の動き)、内転と外転(内と外への動き)、内旋と外旋(ひねりの動き)という、3つの面の動きが合わさった動きの多い関節です。

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股関節は屈曲と伸展(前後の動き)、内転と外転(内と外への動き)、内旋と外旋(ひねりの動き)という、3つの面の動きが合わさった動きの多い関節です。

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人間が歩行する時、前に振り出した足を着地させた瞬間に股関節は内旋します。この時は股関節の後ろ側にある外旋筋群と大臀筋が収縮しながらも伸びていきながら、この動きをコントロールしています。そしてすぐに体は前に移動していきますが、この時には股関節は伸展しながらも内側に入ってくる内転の動きをします。この時は中臀筋という骨盤の外側にある筋肉が働き動きをコントロールしています。

体重が足部に乗ってきて体が前方に移動してくると、股関節は外旋方向の動きに切り替わります。外旋筋群と大臀筋が働き、地面を力強く蹴っていくことが可能になるわけです。また内側に入っていた脚部も少しずつ外側に戻ってきて、反対の足の接地へと向かいます。この時は内転筋が収縮しながらも伸びていき、この動きをコントロールしています。

このように、股関節は一見前後の動きにしか見えませんが、実は内転と外転、内旋と外旋も伴った複雑な動きなのです。

股関節の動きは足部と連動する

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立脚中期に股関節の内旋により
膝関節で外反(ニーイン)が起こります。

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股関節の内旋・膝の外反が怒らないと
股関節が横にスライドする。

またもっと重要なことは、これらの動きは単体で行われるのでなく、足部と連動して起こるということです。足部が地面に接地した直後からプロネーション、つまり内側に倒れてくる動きをします。この時脚部は同様に内側に内旋することになります。また蹴り出しの時には足部はスピネーション、つまり外側に倒れてくる動きをしますが、脚部も同様に外旋してくるわけです。このように足部と股関節は脚部の両端に位置して連動して働いていて、お互いが影響を与え合っているのです。

股関節の不具合の原因は骨盤のズレ

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ただしすべて人がそうということではなく、実は股関節に問題が起きる時は、股関節というより受ける側の骨盤のずれに問題の原因が生じていることがほとんどだと思われます。

股関節左側上部のほうにつまり感がある場合、いろいろな要因が考えられます。左側の骨盤が前傾してくると前側の靭帯が緩くなり、また股関節は外旋しやすくなるため後ろ側の靭帯は硬くなりやすくなります。そのため関節がうまく動かなくなります。左側の骨盤が前傾すると骨盤全体が右回旋をして体重が右側にシフトしがちになります。そのため左側の内転筋群は緩み外旋筋群は硬くなってしまいます。

また股関節の右内側がつまる感じがする場合、骨盤帯の右回旋をしていることが多いです。そのため右股関節は内旋して後部の関節包は伸びて緩くなっている場合が多く、外旋筋群や大臀筋、中臀筋なども弱くなってしまっていることが考えられます。また前側の靭帯や内転筋が硬くなることも要因の一つになります。

股関節痛への対処法

では股関節が痛くてスポーツを楽しむことができない場合はどうすればよいでしょうか。
まずは病院を受診して股関節に問題がないか診断を受けるべきです。股関節は歩く時で体重の5/6を支えることもあるので、骨や軟骨、靭帯に損傷がないかどうか把握することが重要です。問題がなければ、体の機能を取り戻すために何かをすることになります。それが硬くなったところを緩めることなのか、緩んだところを締めることなのか、専門家に診てもらうとよいでしょう。

股関節周辺の筋肉を鍛えるエクササイズ

自分でできることで比較的安全で効果的なことは、エクササイズで緩んだ筋肉を締めることです。
ほとんどの場合お尻の筋群が緩んでいるので、そこを鍛えるのがよいでしょう。先にお話しした3つの面があることを思い出してください。

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まずは前後の動きからです。仰向けになって膝を曲げます。膝の間に丸めたタオルなどをはさみます。かか尾とで床を押しながら骨盤を後傾させて底骨を床から離します。これでお尻の筋肉ともも裏の筋肉が鍛えられます。余裕のある方は片足を少しだけ浮かせてみてください。

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次に内外の面のエクササイズです。横向きに寝て肘を立てます。そこから起き上がるようにして少しだけ腰を浮かせます。股関節の外側の中臀筋などが鍛えられます。これだけでもよいですが、ここから四つん這いになるようなイメージで少し下を向くような感じでおこなうこともできます。こうすると内旋外旋方向にも鍛えることができます。

股関節は人の歩行や運動を支えるとても重要な関節なので、痛みを取る、柔らかくすることばかりにならないようにしたほうがよいでしょう。

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