運動において、ある関節を取り巻く「主働筋」「協働筋」「拮抗筋」をバランスよく鍛えることが、その関節の力強くスムーズな動きに繋がります。
ランニング時にもそれらの筋が複雑に協力して、股関節、膝関節、足関節(足首)の動きをつくりだしています。
ところで…
太もも内側の内転筋群
日常の動作では太ももを内へ閉じる動作で使われます。
内転筋群は足が接地している時も空中に浮いている時も、また太腿を前に振り出す時も後ろに振り戻す時もずっと活動をしている筋肉です。
なので「協働筋」である内転筋群をより強化することで「主働筋」である太もも前の大腿四頭筋と太もも裏のハムストリングスの補助につながり、脚のスイング動作を速めることができます。
内転筋群の「拮抗筋」はお尻の外側の中臀筋
中臀筋は日常の動作では太ももを外へ開く動作で使われます。
中臀筋をより強化することで大腿四頭筋の「協働筋」として、脚の着地衝撃に抗し腰や膝の落ちを防ぎます。そして「拮抗筋」の関係にある内転筋群と中臀筋をバランスよく強化することで骨盤の安定性が高まります。下半身全体の無駄なブレが少なくなり、ランニングの経済性が高まっていきます。
私はフルマラソンのレース中に脚が攣ることが2年前では頻発していました。
ふくらはぎ(腓腹筋)、すねの前(前脛骨筋)、太ももの裏(ハムストリングス)と1回のレースでこれらの全部の部位が攣ったこともあります。
ただ最近は、フォームの修正、シューズの変更、関節柔軟性の回復、水分摂取法等に普段の練習からレース前まで積極的な予防的な取組みを行い、攣ることはなくなりました。しかし、この夏の練習で15%もの傾斜が続く山道を走って上ったいたら4K地点でなんと…内もも(長内転筋)が攣りました普段のランニング時には意識していないこの内転筋群、上りで太ももの前を酷使する動作が続くと大腿四頭筋の協働筋であるこの筋群にもダメージが広がり悲鳴を上げてしまったのですが、その時に内転筋群の縁の下の働きを実感しました。
中臀筋のトレーニングを行ったことがない市民ランナーが多いので、拳でトントンとお尻の横側を叩きながら筋への意識を高める次の2種目をウォーミングアップ時に実施しましょう。
動作
動作
回数は、1種目15〜20回。30秒以内の休息で2セット繰り返します。 (A)内転筋群と(B)中臀筋の両種目を同じ日のトレーニングで行いましょう。
マシンでの「筋トレ」で、筋の意識を高め筋量を増やす基礎土台づくりが目的です
準備姿勢
動作
準備姿勢
動作
自分の体重を負荷にした自体重の「筋トレ」を、走動作に類似した動作やスピードで行い、走りに関連する筋の出力アップが目的です
動作
動作
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Vol.3 ハイピッチを持続させる筋力の強化 でも紹介しましたが、今回は内転筋群の動きを大きくして行います。
準備姿勢
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3種目をサーキット形式で種目間の休憩を入れず連続的に行い、短時間で中臀筋への負荷を高めます。
準備姿勢
【バンドの位置】 両足とも足首
動作
準備姿勢
【バンドの位置】 両足とも足首
動作
準備姿勢
【バンドの位置】 両足とも足首
動作
自体重を使ったジャンプ系「筋トレ」で、出力されたエネルギーを無駄なくスピードアップ、持続力アップにつなげ、ランニングエコノミー(経済性)の改善が目的です
準備姿勢
動作
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