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近年ではスポーツ現場やフィットネス・ヘルスケアの分野において「コンディショニング」という言葉をよく目にするようになりました。
実際、「コンディショニング」という言葉の定義は非常に広く、解釈については細部では違いがあり曖昧なところがあります。
スポーツに関わるトレーナー・運動指導者に広く認知されている、NSCAジャパン(National Strength and Conditioning Association)は「コンディショニング」を以下のように定義しています。
“コンディショニング(Conditioning)とは、スポーツパフォーマンスを最大限に高めるために、筋力やパワーを向上させつつ、柔軟性、全身持久力など競技パフォーマンスに関連するすべての要素をトレーニングし、身体的な準備を整えることと定義されます。また、一般の人々にとっては、快適な日常生活を送るために、筋力や柔軟性、全身持久力をはじめとする種々の体力要素を総合的に調整することとなります。”
(NSCAジャパン公式サイトより)
上記のようにコンディショニングの範囲は非常に広くなっているため、どこから始めれば良いか、何をすればいいのかわからないことが多いです。そこで参考になるのが、パフォーマンスピラミッドと呼ばれるものです。
パフォーマンスピラミッドとはパフォーマンスを向上するために必要な要素を図示したものです。このパフォーマンスピラミッドも様々なパターンのものがありますが、その全てに共通していることは「まずは身体の基礎的な機能を維持・獲得することが重要である」ということです。
基礎的な機能を保持していない身体で無理なトレーニングを行うと、逆にパフォーマンスが低下しケガに繋がります。特に日常的に身体を酷使しているアスリートは日頃の疲労などからその基礎的な機能が低下していることが多いため、常に自分の身体を確認し、状態を把握する必要があります。競技によっても基礎的な機能が低下しやすい部位に違いがあり、特にその部位には注意が必要です。
コンディショニングとはこの身体の基礎機能の維持・獲得 ⇔ 基礎機能の向上 ⇔ 競技技術の向上を身体状況に応じて繰り返すことになります。
ここでは各競技におけるコンディショニングとして、特に基礎機能の維持・獲得を中心にご紹介します。