マクダビッド
BASKETBALL
McDavid
SPORTMED LABO

バスケットボールにおけるコンディショニングでは、バスケットボールの動きの特性を理解し、
適切なエクササイズを行い、身体状態をより良く調整することが重要です。
身体を正常な状態に維持することでケガの予防につながり、
結果的にパフォーマンスの向上にも繋がります。

バスケットボールの動きの特性

1.下半身と上半身を別々に巧みに使う難易度の高い運動。

2.スプリントとストップ、そして切り返しを繰り返し行う運動。

3.瞬間的な不意な動きも必要となるため、高度な反応や全身の身体操作能力が必要な運動。

バスケットボールで起きやすいケガ

バスケットボールではスプリント、ストップ、ジャンプなど様々な動作が繰り返し行われ、ストップ動作や切り返しの際にケガが多く発生します。中でも足関節や膝関節のケガが多く、防ぐためには筋力だけでなく身体を自由にこなせるコーディネーション能力も非常に重要です。
その基盤となるものが基本的な身体機能です。基本的な身体機能が備わっていて、それを維持できて初めて強い力を発揮したり、衝撃を吸収することができます。機能が低下している部位を明確にし、対処することがケガを防ぐために重要になります。
コンディション不良によって起こるケガの場合は、その根本となる原因を解決しないと治りが遅くなり、再発することが多くなります。その原因も症状がある部位とは異なる部位にある事が多いため、根本の原因を解決し、競技復帰し再受傷のリスクを軽減することが非常に重要です。

問題が起こりやすい箇所

クリックで気になる部位の詳細を表示

肩・手指

肩は選手との接触や転倒時に手を着いた際にケガをする場合が多く、手指は選手との接触やボールとの接触が多いです。どちらのケガも接触が原因となることが多く、防ぐのが非常に難しい部位です。ただし、肩は他の部位のコンディショニングを正常に維持しておくことで、力をうまく逃がすこともできるようになるため、防げるケガも増えます。

肩・手指
肩・手指のケガの一例

肩関節脱臼(前方) >

上方関節唇損傷(SLAP)

突き指 >

腰部

オフェンスやディフェンス時の前屈みの姿勢やシュートやリバウンドなどの際のジャンプの着地により腰部に負担が多くかかります。これらの動作を繰り返すことで腰部には圧縮や剪断のストレスが加わり、結果として腰痛などの腰部疾患を発症します。特に、足首、股関節などに可動域制限など機能低下が起きているとストレスが腰部へ集中し、ケガのリスクが高くなります。

腰の写真
ヒザ

切り返しやジャンプ動作に伴う、ストップ動作で身体が捻じれるような負荷が加わり、多くの場合その負荷がヒザに集中してケガが起こります。接触によるケガで防げないものもありますが、コンディションを維持することで接触を伴わないケガにおいては予防をすることも可能です。全身のコンディションを維持することが重要ですが、特に膝関節は股関節や足関節の影響を強く受ける為、可動域などの機能を正常に維持することが非常に重要です。

ヒザの写真
股関節・骨盤

スプリント、ジャンプ、サイドステップなど股関節を酷使する動作が多くあります。またその多くが、股関節を曲げて屈んだ姿勢で行うため、股関節やその周囲の筋肉には大きな負担がかかります。これらの繰り返し起こる負担は股関節や骨盤の周辺の筋肉や靭帯へ炎症を引き起こし、ケガに繋がります。特に足関節や体幹の可動域の低下は股関節・骨盤へ大きな影響を及ぼすため、正常に維持することが重要です。

股関節・骨盤の写真
股関節・骨盤のケガの一例

鼠径部痛症候群(グロインペイン)

骨盤剥離骨折

仙腸関節障害

大腿部

大腿部のケガで最も多いものは一般的に“モモカン”と呼ばれる接触が原因となり起こる大腿部の打撲です。このケガは軽視されがちですが、間違った対処を行うと難治性のケガになる場合もあるため、適切な処置が必要です。またバスケットボールではスプリントやストップ動作が何度も起こるため、大腿部の肉離れも多く起こります。肉離れの多くはコンディショニング不良が原因です。特に股関節の可動域の低下は大腿部へ大きな影響を及ぼす為、正常に維持することが重要です。

大腿部の写真
足部・足首・下腿

足部・足首・下腿はストップ動作やジャンプの着地の衝撃を直接的に吸収する役割をします。そのため、疲労の蓄積が多く、骨や筋肉のケガが多いです。また足首については接触に伴う捻挫が起こりやすい部位でもあります。同時に足部・足首・下腿は膝関節や股関節の影響を強く受けるため、その部分に機能不全があるとケガが起こりやすくなります。足首の捻挫は突発的なものもあり、防げない場合もありますが、コンディションが維持されていることで防げる場合もあります。

足部の写真
足部のケガの一例

足底筋膜炎

内反捻挫(ネンザ) >

外反捻挫(ネンザ) >

アキレス腱炎 >

下腿部筋挫傷(肉離れ)

セルフチェック
~自分の弱点を知ろう~

ここでは身体の状態を知るヒントとなるセルフチェックを紹介します。
まずは自分の身体の状態を把握し、それに合ったコンディショニングを行いましょう。

チェックA
~股関節・体幹~
  • 1. 股関節屈曲(座位)
  • 2. 股関節屈曲(ASLR)
  • 3. 股関節回旋(うつ伏せ)
  • 4. 股関節伸展
  • 5. 体幹回旋(座位)
チェックB
~足関節・膝関節・股関節~
  • 1. 足関節背屈(ニートゥウォール)
  • 2. 前屈(立位)
  • 3. 片脚立ち(立位)
  • 4. ディープスクワット
  • 5. 片脚スクワット

このセルフチェックでは主に自動可動域(自ら運動を行った時の関節の可動範囲)をチェックします。
バスケットボールは全身運動のため、身体のどこかで制限があるとそれが他の部位へ影響します。
そのため、ケガをしている部位に関わらず、制限が大きいところから重点的にコンディショニングを行いましょう。

1つでも×があった場合は下記のコンディショニングエクササイズAを行いましょう。

1. 股関節屈曲(座位)

2. 股関節屈曲(ASLR)

3. 股関節回旋(うつ伏せ)

4. 股関節伸展

5. 体幹回旋(座位)

1つでも×があった場合は下記のコンディショニングエクササイズBを行いましょう。

1. 足関節背屈(ニートゥーウォール)

2. 前屈(立位)

3. 片脚立ち(立位)

4. ディープスクワット

5. 片脚スクワット

1つでも×があった場合は下記のコンディショニングエクササイズAを行いましょう。

1. 股関節屈曲(座位)

2. 股関節屈曲(ASLR)

3. 股関節回旋(うつ伏せ)

4. 体幹回旋(座位)

5. 片脚スクワット

チェックBへ移動する
1つでも×があった場合は下記のコンディショニングエクササイズBを行いましょう。

1. 足関節背屈(ニートゥウォール)

2. 前屈(立位)

3. 片脚立ち(立位)

4. ディープスクワット

5. 片脚スクワット

チェックAへ移動する

コンディショニングエクササイズ
~弱点を克服し、強化しよう~

セルフチェックで制限が大きかった部位から重点的にエクササイズをしていきます。
エクササイズは毎日~最低でも2日に1回は行いましょう。
練習前やお風呂上りなどに行うとより効果的です。
定期的にメニューを実施し、2-3週間後に再度セルフチェックをして改善しているか確認しましょう。

エクササイズA
~股関節・体幹の制限の改善~
  • 1. チャイルドポーズ&アップフェイシングドッグ
  • 2. ハムストリングスアクティブストレッチ
  • 3. プレッツェル1
  • 4. プレッツェル2
  • 5. シンボックス
エクササイズB
~足関節・膝関節・股関節~
  • 1. アンクルモビリティ
  • 2. ヒールタッチアクティブストレッチ
  • 3. ベアプランク
  • 4. 3ポイントサイドブリッジ
  • 5. ハーフニーリングハロー
エクササイズAは、股関節・体幹の制限の改善を主な目的としています。
エクササイズは毎日行っても問題ありません。最低でも2日に1回は行いましょう。
練習前やお風呂上りなどに行うとより効果的です。

1.チャイルドポーズ&アップフェイシングドッグ

2.ハムストリングスアクティブストレッチ

3.プレッツェル 1

4.プレッツェル 2

5.シンボックス

エクササイズBは、足関節・膝関節・股関節の制限の改善を主な目的としています。
エクササイズは毎日行っても問題ありません。最低でも2日に1回は行いましょう。
練習前やお風呂上りなどに行うとより効果的です。

1.アンクルモビリティ

2.ヒールタッチアクティブストレッチ

3.ベアプランク

4.3ポイントサイドブリッジ

5.ハーフニーリングハロー

エクササイズAは、股関節の制限の改善を主な目的としています。エクササイズは毎日行っても問題ありません。最低でも2日に1回は行いましょう。練習前やお風呂上りなどに行うとより効果的です。

1.チャイルドポーズ&アップフェイシングドッグ

2.ハムストリングスアクティブストレッチ

3. プレッツェル1

4.プレッツェル2

5.シンボックス

エクササイズBへ移動する
エクササイズBは、肩と胸郭の制限の改善を主な目的としています。エクササイズは毎日行っても問題ありません。最低でも2日に1回は行いましょう。練習前やお風呂上りなどに行うとより効果的です。

1.アンクルモビリティ

2.ヒールタッチアクティブストレッチ

3.ベアプランク

4.3ポイントサイドブリッジ

5.ハーフニーリングハロー

エクササイズAへ移動する

セルフチェックはコンディショニングの方向性を示すもので、診断をするものではありません。日常生活に影響するような痛みや痛みでスポーツ動作ができない場合は、医療機関を受診してください。

コンディショニングエクササイズはセルフチェックで判明した可動域制限を改善するためのものであり、ケガの治療を行うものではありません。もし痛みがある場合は患部の治療を受けるようにしてください。
また、ケガをしている部分に痛みが生じる場合はエクササイズを中止しましょう。痛みは脳からの危険信号ですので、痛みがある状態で動作を続けても身体にとって良い結果が得られることは稀です。

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