カラダとケガについて
外反捻挫(ネンザ)
Ankle Eversion SprainMcDavid
SPORTMED LABO

足首外反捻挫(ネンザ)とは

足首の外反捻挫は、内反捻挫とは反対に足関節の内側靭帯の損傷です。
足首の骨の形状を見ると腓骨の外果の方が、脛骨の内果よりも長く伸びています。足首が外側に曲がる(外反)際には距骨が外果に当たることから容易に負傷することはありません。また、靭帯も外側の靭帯が3つそれぞれ独立してあるのに対して、三角靭帯と総称されるように、内側の靭帯は4つ全ての靭帯がお互いの周囲にあり密接しているため強固になっています。

これらのことから、足首は外反しづらい構造だと言えます。つまり、これだけの構造で負傷するということは、相当なストレスが加わらなくていけません。そのため、外反捻挫は内反捻挫と比べると稀な怪我ですが、腓骨の骨折などを伴うことがあり重症化する場合が多いのが特徴です。

どのようにして起こるか

足首が強制的に外側へ曲げられること(外反)で、内側の靭帯が伸びる/損傷してしまいます。足首をひねる原因は様々な要因があります。

アスリートで多くみられるのは、軸足に相手選手などからのタックル・スライディングを足首の内側に受けしまい、足首が無理やり外反の動きを強いられてしまうことです。そのため、外反捻挫はサッカー・アメフト・ラグビーなどの競技で見られることが多い症例です。

また、相手選手の足や何かの障害物の上に着地することで外側に足首を捻ることでも起こります。バスケットボール・バレーボールのジャンプを頻繁に行う競技や、トレイルランニングなどで岩や石を踏みつけてしまい捻挫してしまうこともあります。

症状

一般的な症状

痛み
負傷後すぐに、足首の内側に痛みを感じます。(外果を骨折している場合は、外側にも痛みも感じます)

腫れ
負傷後すぐに腫れ始めます。

変色
内出血がおこり、青あざがみられます。

可動域の低下
足首を動かすと痛みを感じるため、動きが低下します。

歩行困難
三角靭帯は体重を支える脛骨に付着していることから、荷重すると痛みが増すことから歩行困難がみられます。

重症度

Ⅰ度(軽度)
靱帯の損傷はないが、伸びている状態

Ⅱ度(中度)
靭帯に損傷はあるが、断裂していない状態

Ⅲ度(重度)
靭帯が断裂している状態

※Ⅱ度、Ⅲ度以上の重症度が予測される場合、医療機関にてレントゲン撮影を行い骨に異常がないか確認することが重要です。

フィジカル コンディショニング

アンクルモビリティ 足首の可動域アップ

1.片膝立ちになり、棒(傘でもなんでも良い)をつま先に合わせて持つ。
2.息を吐きながら体全体で前に動き、膝を棒につける。

ONE POINT
この時足首の前側が痛い人はこのエクササイズをやるには時期尚早な可能性があるので、注意する。
ふくらはぎが伸びる感じがあればよい。

FHL 足趾の筋力アップ

1.足首を少し足裏の方に曲げて、足の親指にゴムバンドをかける(ない場合はタオルなどをかける)。
2.親指を曲げる。

ONE POINT
ゴムを引っ張る強さは、親指が最後まで曲げられるくらいにする。
指が動かないのは強度が強すぎる。

スタースクワット 足の筋力アップと、足首の制御能力向上

1.片足でスクワットをしながら、上げている足を前後左右なるべく遠くにタッチするようにする。

ONE POINT
タッチできる距離を測定しておくと進捗状況がわかる。動画は4方向だけだが、それぞれの中間の方向の8方向をやってもよい。
また、クッションなどに乗り、足場を不安定にするとさらに難易度が上がる。この場合は転倒に注意する。