カラダとケガについて
筋・筋膜性腰痛症
Low Back PainMcDavid
SPORTMED LABO

筋・筋膜性腰痛症とは

腰痛は、病院へ通院したり・仕事を休むざるを得ない理由の最も一般的な原因の一つです。多くの人が一度は経験しているであろう症例です。

椎間板や腰椎分離症のような構造的な問題がなく起こる腰痛を「筋・筋膜性腰痛」と呼ぶことが多いです。
体の背面には多くの靭帯・筋肉が集まっており、これらが脊椎を支え、正しい位置にとどめています。この筋肉を少し伸ばしすぎたり・疲労が蓄積すると、筋肉には小さな損傷が起こります。傷ついた筋肉は次第に弱くなっていき、脊椎を正しい位置に保つことが難しくなり、結果として腰痛を引き起こしてしまうのです。

どのようにして起こるか

筋・筋膜性腰痛の原因の多くは、腰への繰り返しのストレスによるものです。重い重量でのリフティング・トレーニングの繰り返しや、リフティング中に正しい姿勢を保てなく、不自然な体勢でのトレーニングにより必要以上のストレスが腰回りの筋肉へとかかってしまうこともあります。

ゴルフのような繰り返しの捻り動作も原因

また、スウィング動作のような繰り返しの体幹の捻りも、通常の生活では起こらないストレスを筋肉へとかけています。
例えば、ゴルフのスウィングのように体幹を利用して一気に力を発揮させる運動では、パワーを出すために一方向へまず体を捻り、その反発を利用し捻った側とは反対側に一気にスウィングを放ち、力を放出します。しかし、ここで忘れてはいけないのは、パワーを発揮したあとにはその運動を止めて体のバランスをためなければいけないことです。ゆっくりと力を作り上げたのとは逆に、急激に力を抑えなければならないので、対応する筋肉には大きな負担がかかります。

他には、普段の姿勢や体重超過、長時間同じ姿勢で着席していることによって筋疲労や筋けいれんを起こすことも考えられます。

症状

一般的な症状

・腰が固く、痛みを感じる。多くの場合、広範囲に痛みを感じる。

・時に痛みはお尻や脚(特に太ももの背面)に出ることもある

・腰を曲げたり、ストレッチをすると痛みが悪化したりする

・咳やくしゃみで痛むこともある

フィジカル コンディショニング

デッドバグ 体幹の安定性アップ

1.虫の死骸のように仰向けに寝て、両足を上げる。
2.膝を軽く曲げ、おへその上に来るようにする。骨盤(ズボンのゴム辺り)を床につけたままで、片足をおろす。
3.おろしながら息を吐き、元の位置に戻すときに息を吸う。

ONE POINT
おへその下、下腹部がきつくなってくると上手くできている。腰が痛いときは上手くできていない。
初めてやる場合は、お尻の下にクッションを入れるといい。

ダイアゴナルリーチ 体幹の安定性アップ

1.つま先を伸ばして四つ這いになり、右手と左足のように手足が交差する組み合わせで前後に伸ばす。
2.手足を伸ばした姿勢をキープする。
3.30秒程度問題なく姿勢が保持できるようになったら、おへその下で肘と膝をタッチさせる動きに挑戦する。

ONE POINT
呼吸を続け、多少ぐらぐらしてもOK。

ベア 体幹の安定性アップ

1.つま先を立てて四つ這いになる。
2.つま先と手で体を支えて、膝を地面から離して体を浮かし、この状態をキープする。

ONE POINT
お尻が高くなりすぎたり、体が前に行きすぎたりしない。上手くできるとお腹がきつくなってくる。慣れてきたらこの姿勢のままで、前後に動く。お腹に加え、お尻もきつくなってくる。

アンチローテーションホールド 体幹の安定性アップ

1.片膝立ちになり、胸の高さでゴムバンドを持ち、ゴムが軽く引っ張られるくらいの距離を保つ(ゴムバンドがない場合は、タオルを持ち周りの人に引っ張ってもらう)。
2.片膝立ちの姿勢を保持したまま、手を胸の前に出す、元に戻すという動きを繰り返す。

ONE POINT
引っ張られる力に抵抗したのに体が回ってしまうのは、負荷が強すぎるので調整する。

お尻のストレッチ 臀部の筋の緊張⇓

1.背筋を伸ばして椅子に座る。足首をもう片方の膝に置くように足を組む。
2.背筋を伸ばしたまま胸をすねに近づけるように、前に倒れる。
3.適度なところで止め、深呼吸を数回行う。

ONE POINT
曲げている足のお尻の付け根が伸びる感じがある。背中が丸まるとあまり伸びないので注意。