親指の靭帯の怪我で最も多いのは、親指の内側側副靭帯(尺骨側副靭帯)の損傷です。この靭帯は親指の真ん中の関節(中手指節関節)に付着し非常に強く、親指を安定させています。この安定があるからこそ、物をはさんだりつかんだりすることができます。
しかし、他の関節と比べると靭帯や骨の形からなる安定性は限られています。親指には優れた可動域/動きが実現されていますが、その代償として安定性を犠牲にしています。つまりは他部位と比べて捻挫や脱臼をおこしやすいともいえます。
親指の捻挫とはシンプルに親指を支えている靭帯が伸びるあるいは切れてしまうことです。
一番多い原因としては、親指を外側に向けて大きく曲げすぎてしまうことです。例えば、スキー・ラグビー・柔道、その他のコンタクトスポーツ(接触型のスポーツ)、また野球やソフトボール、バレーボールなどの球技でもよく見られます。
スキーで転倒した時にポールを掴んだまま手をつくことで、親指が反れて痛めてしまうことが多く、このような急性の怪我を「スキーヤーズ・サム」と呼ばれています。
また、繰り返しの掴む動作、あるいは捻る動作で徐々に靭帯を痛めていく慢性の怪我を「ゲームキーパーズ母指」と呼びます。柔道のなどの胴衣のつかみ合いの中、相手選手が体を捻る動作を行うことが多いとき、胴衣を掴んでいる親指にはストレスが溜まっていきます。
痛み
親指の付け根分に痛みが生じます。
張り
人差し指側の付け根を触ると張りを感じることがあります。
腫れ
親指が腫れてきます。(関節部分だけでなく、指先方向にまで腫れがおこることもあります)
変色
内出血がおこり、青あざがみられます。
可動域の低下
親指を動かすと痛みが生じるため、可動域が低下します。
COMING SOON