半月板損傷は膝の軟骨の怪我の中で最も多くみられる傷害の一つで、ケガの発症は他の靭帯の怪我と似た原因で起こります。
半月板は脛骨の上部にある軟骨で、クッションの役割や脛骨と大腿骨の二つの骨を安定させる役割をもっています。骨通しが擦れ合い摩耗することから保護しています。半月板は年齢とともに固く、そして弱くなっていきます。
また、半月板には侵害受容器(痛み刺激を受け取る組織)がないことと、半月板全体の端っこの約10~30%のエリアにしか直接血液が流れていないため、評価するのが難しいケガの一つでもあります。
半月板は膝のクッションの役割をもっていて、骨同士が擦れ合うのを予防していますが、体重が膝にかかるほど半月板と骨の密着度が増し、そこに捻る・曲げるといった動作が加わることで引き裂かれます。
激しい軸回転運動や急激なストップ動作からのターンなど、膝を無理やり捻る・曲げるような運動は半月板を痛める原因となります。ディープスクワットや何か重いものを持ち上げるといった膝を曲げるだけの動作でも、ときに半月板損傷に繋がることがあります。
半月板損傷は接触型のスポーツ(アメフト・ラグビー)や非接触型のスポーツでもジャンプや切り返し動作が求められるスポーツ(バレーボール・サッカー)でよくみられます。
また、歳を重ねると膝に退化性の変化がみられ、ちょっとしたことや特別何もしていなくても半月板に損傷が見られるようにもなります。
痛み
受傷直後は痛みはそこまで酷くなく、そのまま運動を続けることも可能な時もあります。しかし、炎症が起き始めると、痛みは次第に大きくなります。
腫れ
最初の24時間以内に発生する可能性が最も高い症状です。腫れを抑えるために、膝に氷のうを当て、患部を枕の上にあげるなど拳上をすることが大切です(RICE処置)。
弾けるような感覚
受傷時に関節内が弾けるような感覚を受けることがあります。
可動域の低下
膝の曲げ伸ばしが難しくなります。
ロッキング
膝がある角度から動かない、ロックされた状態になります。
競技復帰を安全に進めるために手術を行う場合もありますので、医師にご相談ください。
スクワット 下肢筋力の向上
1.足幅は肩幅よりも少し広めで、つま先を少し外側に向ける。
2.椅子に座るようにしゃがみ、足裏全体で地面を押して立ち上がる。
ONE POINT
すねと上半身が平行になるようにする。
目標は太ももと床が平行になるまでしゃがむ。
リハビリの序盤は半分程度しゃがむハーフスクワット(動画後半)も有効である。
ラテラルスクワット 下肢筋力の向上・横方向の動きの強化
1.肩幅の1.5倍くらいの幅に足を広げ、つま先は正面(または少しだけ外側)に向けて立つ。
2.片側の膝と股関節を曲げ、太ももが地面と平行になるところまでお尻を下げる。
3.スタートポジションに戻る。
ONE POINT
上半身を捻らないようにし、おへそは常に正面を向くようにする。
スプリットスクワット 下肢筋力の向上
1.立位の状態で片足を少し後ろにつく。
2.後ろに動かした膝から頭までが一直線になるように姿勢を維持しながら、体を下げる。
3.前足を力強く踏むように立ち上がる。
ONE POINT
体が床と垂直になるところから始めて、少し前傾になるようにすると前足への負荷が上がる。
姿勢が崩れないようにすることがポイント。前足のお尻を使う感じがあれば上手くできている。
スクワットジャンプ ジャンプ動作の基礎・着地動作の練習
1.軽く足を広げ、膝と股関節を少し曲げハーフスクワットの姿勢になる。
2.そこから腕を軽く振り、跳ぶ。同じようにハーフスクワットの形で着地する。
ONE POINT
この着地姿勢の練習なので、まずは一回ずつ確実に静止する。
上手くできるようになってきたら、立っている状態から反動をつけて跳ぶようにする。
シングルレッグヒップリフト 殿筋群の強化
1.仰向けに寝て、両膝を曲げて片足を胸の前で抱える。
2.そのままもう片方の足に力を入れてお尻を持ち上げる。
ONE POINT
高く上げることよりも、お尻に力が入る感覚を感じる方が重要。膝の角度が大きいとモモ裏を使うようになる。