カラダとケガについて
椎間板ヘルニア
Disc herniationMcDavid
SPORTMED LABO

椎間板ヘルニアとは

椎間板ヘルニアは、脊椎を作るために積み重なるそれぞれの椎骨の間にあるクッションの役割を持つ椎間板に異常をきたすことで起こる傷害です。

各椎間板はゴムのような線維性軟骨からなる環状部分(繊維輪)が、ゼリーのような柔らかさをもつ中心(髄核)を包み込む形でできています。この椎間板があることで、脊椎は様々な方向に動くことができ、また衝撃を吸収することができます。
時折この髄液が繊維輪を押し出してでてくることがあり、近くの神経を刺激することで起こる傷害を椎間板ヘルニアといいます。(椎間板ヘルニアはどの脊柱でも起こりえます。)発症する場所により、腕または足の痛み・麻痺・筋力が弱体化していきます。

どのようにして起こるか

単一の極度の負荷や、怪我によってヘルニアを起こすこともありますが、多くの場合は年齢を重ねることによる退化が原因となることが多いとされています。

子供や若い頃は、椎間板内の水分量が高く保たれていますが、歳をとるにつれて水分量が少なくなっていき、柔軟性も損なわれていきます。すると椎間板は次第に小さく縮んでいき、椎骨と椎骨の間のスペースも狭まっていきます。これにより軽い負荷や捻る動きでも椎間板が損傷し、その結果、椎間板ヘルニアを発症します。

ほとんど人が椎間板ヘルニアを起こした原因を特定できません。
もしかすると、何か重いものを持ち上げる際に、足や太ももをうまく使わず腰の筋肉で持ち上げてしまったからなのかもしれないし、物を持ち上げている時に捻ったせいかもしれない。あるいはスポーツで見られるような強い転倒・落下のような外傷的な原因で起こっているかもしれないのです。

症状

一般的な症状

立位よりも座位で症状が増悪(悪化)しやすく、また前屈(屈曲負荷)や回旋によって増悪(悪化)しやすい傾向があります。

痛み
腰椎で起こることが多く、その場合の痛みはお尻・太もも・ふくらはぎに現れます。痛みの種類は鋭く、燃えるような感じがします。特に急性期には咳、くしゃみ、いきみで痛みが誘発されます。

痺れ
椎間板ヘルニアを発症した人は、しびれなどの症状が圧迫している神経の対象部分に出ることもあります。

弱体
圧迫されている神経に支配されている筋肉が弱くなっていきます。これによって躓いたりすることもあります。

フィジカル コンディショニング

デッドバグ 体幹の安定性アップ

1.虫の死骸のように仰向けに寝て、両足を上げる。
2.膝を軽く曲げ、おへその上に来るようにする。骨盤(ズボンのゴム辺り)を床につけたままで、片足をおろす。
3.おろしながら息を吐き、元の位置に戻すときに息を吸う。

ONE POINT
おへその下、下腹部がきつくなってくると上手くできている。腰が痛いときは上手くできていない。
初めてやる場合は、お尻の下にクッションを入れるといい。

ダイアゴナルリーチ 体幹の安定性アップ

1.つま先を伸ばして四つ這いになり、右手と左足のように手足が交差する組み合わせで前後に伸ばす。
2.手足を伸ばした姿勢をキープする。
3.30秒程度問題なく姿勢が保持できるようになったら、おへその下で肘と膝をタッチさせる動きに挑戦する。

ONE POINT
呼吸を続け、多少ぐらぐらしてもOK。

ベア 体幹の安定性アップ

1.つま先を立てて四つ這いになる。
2.つま先と手で体を支えて、膝を地面から離して体を浮かし、この状態をキープする。

ONE POINT
お尻が高くなりすぎたり、体が前に行きすぎたりしない。上手くできるとお腹がきつくなってくる。慣れてきたらこの姿勢のままで、前後に動く。お腹に加え、お尻もきつくなってくる。

アンチローテーションホールド 体幹の安定性アップ

1.片膝立ちになり、胸の高さでゴムバンドを持ち、ゴムが軽く引っ張られるくらいの距離を保つ(ゴムバンドがない場合は、タオルを持ち周りの人に引っ張ってもらう)。
2.片膝立ちの姿勢を保持したまま、手を胸の前に出す、元に戻すという動きを繰り返す。

ONE POINT
引っ張られる力に抵抗したのに体が回ってしまうのは、負荷が強すぎるので調整する。

お尻のストレッチ 臀部の筋の緊張⇓

1.背筋を伸ばして椅子に座る。足首をもう片方の膝に置くように足を組む。
2.背筋を伸ばしたまま胸をすねに近づけるように、前に倒れる。
3.適度なところで止め、深呼吸を数回行う。

ONE POINT
曲げている足のお尻の付け根が伸びる感じがある。背中が丸まるとあまり伸びないので注意。