テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は腱炎の一種で、肘や腕に痛みを感じるケガです。肘の外側の突起(上腕骨外側上顆)から起こる筋肉が、手首や腕の繰返しの動きによって炎症を起こしている状態です。ケガの名前との繋がりはなく、テニスをしたことがない人、アスリートでない人にでも起こります。スポーツ特有というより、繰り返し握る動作(特に親指、人差し指・中指を使う)がテニス肘を引き起こすことが多いです。
肘の痛みで病院を受診する中で、テニス肘がもっとも多い原因です。どの年代の人にも起こりますが、特に40代くらいの人に多く見られます。
テニス肘は慢性の傷害であり、オーバーユース(使いすぎ)や筋疲労によるものです。繰り返しの動作(例えばスイング中にラケットを握り続けるなど)は筋疲労を起こしやすく、腱に対してのストレスも増加します。初期は顕微鏡レベルの損傷であっても繰り返しの運動によって損傷が蓄積され、炎症がひどくなり症状として出てくることになります。
テニス・バドミントンなどのラケットスポーツやフェンシング、ウェイトリフティングなどの競技で見られることが多い一方、大工・PCのタイプ・ペンキ塗り・ドライバー捻り・肉の切り落としなどの仕事をしているなども工具・道具を使用することが多いので発症することがあります。
下記のような動作の時に肘の外側に痛みを感じます。
◯ なにかを持ち上げるとき
◯ こぶしを握る、物(ラケットなど)を握るとき
◯ ドアを開けるとき
◯ 握手するとき
◯ コーヒーカップを持つとき
など
前腕ストレッチ1 前腕の緊張⇓
1.肘を伸ばし、指を下に向ける。指から手首までを反対の手でつかみ、手の甲側に倒す。
2.肘を伸ばし、握りこぶしを作る。反対の手でつかんで手のひら側に向ける。
ONE POINT
手の甲側に倒す時は肘の内側が、手のひら側に曲げる時は肘の外側が伸びるのを意識する。
前腕ストレッチ2 前腕の緊張⇓
1.四つ這いになり、指を足側に向けるように手をつく。
ONE POINT
お尻を少し後ろに動かすと前腕の内側が伸びる。
お尻を引きすぎると、肘が過伸展してしまい痛くなる可能性があるので注意する。
手首のトレーニング1 前腕の筋力アップ
1.手首から先が椅子や机の外に出るように置く。
2.手のひらを上向きにし、重りを持つ。
3.手首を伸ばしながら、指がかかるぎりぎりまで重りを下げ、重りを握りながら、手首を曲げる。
手首のトレーニング2 前腕の筋力アップ
1.手首から先が椅子や机の外に出るように置く。
2.手のひらを下向きにし、重りを持つ。
3.手首をだらんとおろしているところから、手の甲を自分の方に近づけるように、手首を最大限曲げる。
ONE POINT
ゆっくりと動作を続ける。
手首のトレーニング3 前腕の筋力アップ
1.手首から先が椅子や机の外に出るように置く。
2.小指側を下にして重りの先を持つ。
3.持った重りを左右に90度ずつ動かす。
ONE POINT
手が浮かないように注意する。