カラダとケガについて
野球肘
Little Leaguer's ElbowMcDavid
SPORTMED LABO

野球肘(リトルリーガー肘)とは

野球肘は肘の上腕骨内側上顆に痛みが生じる傷害で、オーバースロー(投球)をするアスリート(特に成長期の若年層)に多いことから、リトルリーガー肘ともよばれています。

ゴルフ肘が上腕骨内側上顆に付着する筋肉・腱に炎症が出るのに対して、野球肘は骨に炎症がみられるのが特徴です。

野球肘をおこす部分は複数存在しますが、同じ仕組みで怪我をしていきます。ここではゴルフ肘との違いを明確にするために内側上顆に絞っていきます。

どのようにして起こるか

上腕骨内側上顆には筋肉・腱・靭帯が付着しており、投球時などに外反のストレスがかかる際にこれらの組織が肘を安定させて機能しています。つまり、全てのストレスは上腕骨内側上顆に集まってきているともいえます。

成長期の若年層に多い理由

成長期の若年層に多い理由は、骨の成長が関わっています。
成長期の子供の骨は、特にそれぞれの骨の端の部分は、成長が終わった骨の中心部分よりも強度が弱い成長軟骨でできています。この成長軟骨が徐々に伸び・固くなり骨を形成することで体が大きくなっていきますが、奇しくも上腕骨内側上顆は骨の端にあたり、筋肉・腱・靭帯が集約されています。そのため、投球するたびに骨にストレスがかかるのは必然となります。

大人の場合は、ここで肘にかかるストレスを靭帯・筋肉・腱で補うこともありますが、骨が完全に形成されていない成長期の子どもの柔らかい骨の場合は、骨に異常を期してしまうことが多いのです。

結果として、
1) 成長軟骨/骨が剥離骨折を起こしてしまう
2) 成長軟骨と上腕骨がうまく癒合しない
3) 成長軟骨が上腕骨からはがれてしまう
といったことが起こってしまうのが野球肘です。

※大人はならないというわけではありません。靭帯の強度や鍛えられた筋肉の強さに骨の耐久性が追い付かない場合は、骨が剥離骨折をおこしてしまうこともあります。

症状

一般的な症状

痛み
肘に痛みを感じます。

腫れ
肘に腫れがみられます。

可動域の低下
肘を真っすぐに伸ばすことが困難になる。あるいは肘がロックされたような感じがします。

フィジカル コンディショニング

バックラインのストレッチ お尻から広背筋の緊張⇓

1.横向きで、下側の股関節と膝を90度曲げ、上側は膝を90度に曲げる。
2.体を捻り、両肘を床に置く。
3.この状態から、上側になっている腕を小指を下にして伸ばし、深呼吸を複数回行う。

ONE POINT
手は脱力する。
下側のお尻から上側の背中、上側のおなかが伸びる感じがある。

股関節モビリティエクササイズ立位 股関節の可動域アップ

1.大きく足を広げて、スクワットのような形になる。
2.お尻の位置を変えずに、膝が床を向くように股関節を内側にひねる。

ONE POINT
股関節の付け根が熱くなるような感覚がある。
この姿勢をとることが難しい人は、何かにつかまりながらやるといい。