カラダとケガについて
インピンジメント症候群
Impingement SyndromeMcDavid
SPORTMED LABO

インピンジメント症候群とは

インピンジメント(衝突)症候群は肩の痛みのもっとも一般的な原因です。また、スイマーでよく見られることから水泳肩と呼ばれることもあります。他にも肩を酷使するアスリート(野球やソフトボール)でも一般的なケガです。

ローテーターカフ(インナーマッスル)は複数の筋肉/腱の集まりで上腕骨と肩を繋げています。ローテーターカフには棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋が含まれ、これらの筋肉は、腕を上げる・旋回させることを補助します。ローテーターカフは肩峰の下を通っており、このローテーターカフが肩峰に対して引っかかる状態や擦れている状態をインピンジメントと呼びます。

また肩峰の下には肩峰下滑液包があり、これが衝突することで炎症を起こし痛みを誘発する場合もあります。

どのようにして起こるか

多くのケースでインピンジメントの原因はオーバーユース(使いすぎ)です。繰り返しの肩の使用により肩峰下の腱や滑液包が炎症を起こします。

人が腕を上げるとき、肩峰下のスペースが狭くなりますが、もともと肩峰下は上腕二頭筋腱・ローテーターカフ・靭帯・滑液包など多くの組織があります。この限られたスペース内で腱や滑液包などが炎症を起こし腫れると、腱/滑液包が肩峰などの骨に衝突してしまうことで肩に痛みや他の症状を起こしてしまいます。

また肩を上げる動作は肩甲上腕関節だけでなくその他の肩に関わる関節も連動することでスムーズに上げることが可能となります。その為、他の関節に問題が生じ、肩を挙げる動作において問題が生じ、インピンジメントが起こることも多くあります。

症状

一般的な症状

腕を頭より高く上げたり、後ろに上げる際に肩に急な痛みが発生します。

◯ 軽度の痛みがコンスタントに残る。

◯ 肩の前方から横にかけて痛みがでる。

◯ 夜中に痛みが悪化する。

◯ 肩/腕に力がはいらない。

フィジカル コンディショニング

トランクローテーション 胸椎の可動域アップ

1.横向きに寝て、両手を顔の前で合わせる。
2.上側の足で、膝がおへその高さに来るまで股関節を曲げ、膝は90度にする。
3.上側の手が頭の上を扇形にとおるように動かしながら上半身をひねり、深呼吸を数回行う。

ONE POINT
息を吐いている間は腕は脱力する。上側の膝は床につけておく。

ITY 背中の筋力アップ

1.仰向けになる。上から見てI・Y・Tの形になるように腕を上げ、その場で小さく動かす。

ONE POINT
ペットボトルに水を入れて行うこともできる。腕を動かすときに腰を反ってしまうと痛める可能性があるので注意する。目線は床を見て、頭は上げない。

ローテーターカフホールド ローテーターカフの筋力アップ

1.肘を90度に曲げ、腕が床と水平、正面から斜め45度くらいの位置で重りを持つ。
2.その姿勢を20秒間キープする。

ONE POINT
重さは自分の体重の1割以下にする。

サイドプランク 肩の安定性アップ、体幹の筋力アップ

1.横向きになり、肘をつく。肘から反対側の肩が一直線になるようにする。
2.上側の手は腰に置いておく。膝を曲げて、膝と腕に力を入れて体を持ち上げてキープする。
3.上側の肘が天井を向くようにする(前後に傾いていないかわかる)。

ONE POINT
簡単になってきたら、膝を伸ばして足を支点にする。

リズミックエクササイズ 肩の安定性アップ

1.ペットボトルに半分程度水を入れる。
2.バンザイしたところや、体の横で少し腕を上げたところでペットボトルを20秒振る。
3.肩の調子が良くなってきたら、動画後半のように腕を動かしながら振る。

ONE POINT
ボディブレードのような器具を使ってもできる。