カラダとケガについて
ランナーズニー
Runner's KneeMcDavid
SPORTMED LABO

ランナーズニー(腸脛靭帯炎)とは

本来のランナーズニーの定義は広く、膝の前面と膝蓋骨周辺におこる痛みの総称で、一つのケガを表すものやランナーの傷害というわけではありません。

ここでは一般的になっている「腸脛靭帯炎(チョウケイジンタイエン)」を主にランナーズニーと定義し説明します。

腸脛靭帯は、大腿の外側にある大きな帯用の繊維組織です。骨盤の横側上部(腸骨稜)から大腿と膝関節の外側を通って、すねの骨(脛骨)に付着しています。主に膝関節を安定させる役割をします。ランナーズニーはこの組織に炎症が起こってしまう傷害です。

ランナー・サイクリスト・ハイカーによく見られますが、膝を酷使するスポーツでも発症することが多いです。(バスケットボール・サッカー・ウェイトリフティングなど)

どのようにして起こるか

膝が真っすぐになっている時、腸脛靭帯は大腿骨の隆起(外側上顆)の前方に位置しています。膝を曲げる時、腸脛靭帯は外側上顆の後方に移ります。この膝の曲げ伸ばしによって、腸脛靭帯の後方部分とその下の外側上顆が擦れます。

膝の曲げ伸ばしを繰り返し行う運動では、腸脛靭帯が繰り返し外側上顆に擦れて刺激され、最終的には腸脛靭帯に炎症が起き痛みが出てきます。繰返しの運動の結果おこる傷害なので、ランナーズニーはオーバーユース(使いすぎ)傷害と言えます。

症状

一般的な症状

痛み
膝の外側部分(関節の少し上)が痛みます。初期はウォーミングアップで筋肉が緩んでいくと痛みはとれていくことがあります。

疼きや張り・燃えるような感じ
膝の外側が疼いたり、張りを感じたり、燃えるような感覚があります。

引っ掛かり
膝の外側に何かが引っ掛かるような感じがします。

筋肉の硬さ
大腿外側の筋肉の硬さを感じます。

フィジカル コンディショニング

前モモストレッチ1横向き 大腿四頭筋の緊張⇓

1.横向きに寝転がり、上側の股関節と膝を曲げる。
2.上側の手で、下側の足を持ち、足をお尻の方に曲げる。
3.踵をお尻に近づけながら、足首を持っている手の方に上半身を捻り、その状態で深呼吸を数回行う。

ONE POINT
上の足の膝が床から離れないように注意。

前モモストレッチ2椅子 大腿四頭筋の緊張⇓

1.片膝立ちになり、後ろにある足を椅子に乗せ、この状態で深呼吸を複数回行う。

ONE POINT
膝が床に着く高さの椅子を使用する。
これだけでも強いストレッチ感をモモに感じるが、腕を上げるとさらにストレッチ感が強くなる。
前後に動くとより強いストレッチ感を感じる。膝の下にはクッションを置くことを推奨する(痛いので)

内転筋ストレッチ 内転筋の緊張⇓

1.四つ這いになり、片足を横に伸ばす。
2.息を吐きながらお尻を後ろに動かす。

ONE POINT
内ももが伸びる感じがある。膝が曲がるとあまり伸びないので、膝を伸ばす。
後ろに下がるほどストレッチ感は強くなる。

スケーター 中殿筋の強化

1.片足立ちで軽く膝と股関節を曲げて、クオータースクワットのような姿勢になる。
*上から見ると膝が薬指と小指の上に来るようにする。
2.その状態から上げている足を斜め後ろに伸ばし、軽く床にタッチして戻す。
*この時、動かしている足以外は動かさないようにする。

ONE POINT
特に骨盤が回転しないように注意する。
常におへそを正面に向けておく。

リバースランジ 臀部の筋力強化・地面をける動作の練習

1.立位の状態から、前側の股関節を曲げながら出すようにして体を曲げる。
2.前足を踏み込んで元の姿勢に戻る。

ONE POINT
前足の臀部や太もものトレーニングなので、過度に後ろ足に体重が乗らないように注意する。