手首は8個からなる手根骨と橈骨で関節を形成しています。この骨に尺骨を加えて、手首全体を安定化させているのがTFCC(三角線維軟骨複合体)と呼ばれる軟骨組織です。この組織はクッションのような役割があり、過度な負荷がかかると損傷を起こします。その為、手首の捻挫とはこのTFCCの損傷のことを表すことが多いです。
瞬間的に体のバランスを失い転倒してしまうとき、人は反射的に手を出し衝撃を和らげようとします。この時に手首の捻挫、TFCCの損傷が起こりやすいため、手首の捻挫は特定のスポーツでというより、全てのスポーツで起こる怪我です。
手首捻挫の多くは、手がオーバーストレッチされた状態(伸ばしすぎた状態)での転倒が原因です。これは普段の日常生活でも起こりえることですが、やはりスポーツやアウトドアレクリエーションなどを行っている時の方がよく発症します。
アメフトやラグビーなどのコンタクトスポーツ(接触型のスポーツ)でお互いの体がぶつかり合い、崩れこんだり倒れ込むときに手首を捻るといったことがあります。
また、体操の選手も手首を痛めることが非常に多いといえます。例えば、床運動・あん馬・跳馬の競技の際に、瞬間的にもしくは短時間の間、体の全ての体重が手・手首にのしかかるというのは相当なストレスとなり、怪我の原因ともなります。
その他にもスケーターやレスリング、柔道でも手首がオーバーストレッチされた状態で倒れる・倒れ込むことも多くあるのでケガをしやすいスポーツといえます。
痛み
手首周辺に痛みを感じます。関節を動かすと悪化する。普段の生活中のドアノブをあけるといった動作でも痛みを感じることもあります。
腫れ
手首周辺が腫れます。
変色
内出血がおこり、青あざがみられます。
可動域の低下
動かすと痛みが生じるため可動域が下がっていきます。手首の4つの動きの他に、円運動(捻る)といった動作の低下も見られます。
力の低下
痛みを生じるため、握力が落ちてくることもあります。
Ⅰ度(軽度)
軽度な靭帯損傷により痛みを感じる状態
Ⅱ度(中度)
痛みと、靭帯へより重度な損傷がみられ、関節がゆるく感じたり、可動域が低下する状態
Ⅲ度(重度)
激しい痛み、靭帯が完全に断裂した状態。また、重度の関節のゆるみ、および可動域の制限される状態
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