「こむら返り」とはふくらはぎの痛みを伴う、筋肉の痙攣のことを意味します。医学的にはこの痛みを伴う痙攣のことを「有痛性筋痙攣」と呼び、ふくらはぎに限定して起こるものではありません。しかしながら、ふくらはぎ（腓腹筋やヒラメ筋）によく起こることからふくらはぎを意味する「こむら（腓）」を用いた「こむら返り」という言葉が一般的によく使用されます。
筋肉は脳からの指令を神経を介し受け取り、力を入れたり、リラックスしたりすることで機能します。こむら返りは何かしらの原因でその力を入れたり、リラックスしたりする調整がうまく機能しなくなった結果、ずっと力が入った状態になり、痛みが生じます。
こむら返り（有痛性筋痙攣）の原因については現在のところはっきりとは分かっていませんが、現在、最も有力とされているのが、「筋疲労」、「ミネラル（電解質）の不足」、「脱水」です。このどれもが、脳からの指令を筋肉に伝える、神経伝達に関わっています。上記が起こると、神経伝達がうまく行われず、結果として正常に筋収縮ができなくなり、こむら返りが起こります。
発汗が多くなり、長時間の運動となるマラソンやサッカーでは上記が発生しやすいため、こむら返りが起こりやすいとされています。また妊婦の方や高齢者もその置かれている環境のため、上記の状態になりやすく、同様に起こりやすいとされています。
他にも別の疾患が原因となるケースも報告されています。一例として言われているのが、下肢静脈瘤、肝硬変、腎不全、糖尿病などです。
前述の通り、こむら返り（有痛性筋痙攣）の原因は明確には分かっていませんが、下記の方法を行うことで予防ができると言われています。
【水分補給】
原因の1つは脱水が考えられています。適切に水分補給を行い、脱水状態とならないよう気を付けることが重要になります。特に運動の前後や就寝前は十分に気を付けましょう。
【栄養補給】
バランスの取れた食事を摂ることが重要です。特にミネラル（マグネシウム・カルシウム・カリウムなど）が不足することが原因の1つと考えられているため、十分に補給することが重要となります。
【血流改善】
筋疲労が原因の1つとして考えられています。そのため、ストレッチ、マッサージ、入浴などで血流を改善し、筋肉の疲労物質を排出しすることは非常に重要となります。
