カラダとケガについて
鵞足炎
Pes Anserine BursitisMcDavid
SPORTMED LABO

鵞足炎とは

鵞足炎とはヒザの内側下方にある鵞足(がそく)と呼ばれる部位に炎症が起こり、痛みが生じます。

鵞足には縫工筋、薄筋、半腱様筋、半膜様筋が付着しており、その付着部が鵞鳥(がちょう)の足のようにみえることからそのように呼ばれています。

鵞足炎はヒザを酷使するような陸上競技やサッカーなどで多く見られます。

どのようにして起こるか

鵞足炎の主な原因はヒザを繰り返し曲げ伸ばしすることによる慢性的な負担の蓄積です。ヒザを曲げ伸ばしすることで鵞足に付着している縫工筋、薄筋、半腱様筋は収縮を繰り返し、鵞足には引っ張るような力が加わります。それが繰り返し行われオーバーユース(使いすぎ)となることで鵞足に炎症が起こり、結果として痛みが発生します。

また鵞足に付着している3つの筋肉の柔軟性の低下も同様に鵞足炎の原因となります。
またX脚や過度な回内足(足部が内側に落ち込んでいる)のアライメントがある場合は、動作に伴い、ヒザの内側にストレスがかかりやすくなるため、鵞足炎が起こりやすくなります。

症状

痛み
鵞足部周囲(ヒザ内側)の痛みが起こります。
特に下記のような場面で痛みを感じることが多くあります。
重症な場合は安静時にも痛みを感じることがあります。

・歩くとヒザの内側が痛む
・階段の昇り降りでヒザの内側が痛む
・椅子から立ち上がる時にヒザの内側が痛む

腫れ
鵞足部周囲(ヒザ内側)に腫れが起こります。

フィジカル コンディショニング

まずは痛みが出ない範囲で大腿部のストレッチを行い、柔軟性や可動性を出しましょう。
痛みが引いてきたら大腿部の筋肉の強化を始めましょう。

前モモストレッチ1横向き 大腿四頭筋の緊張低下

1.横向きに寝転がり、上側の股関節とヒザを曲げる。
2.上側の手で、下側の足を持ち、脚をお尻の方に曲げる。
3.かかとをお尻に近づけながら、足首を持っている手の方に上半身を捻り、その状態で深呼吸を数回行う。

ONE POINT
上の脚のヒザが床から離れないように注意。

前モモストレッチ2椅子 大腿四頭筋の緊張低下

1.片ヒザ立ちになり、後ろにある足を椅子に乗せ、この状態で深呼吸を数回行う。

ONE POINT
ヒザが床に着く高さの椅子を使用する。これだけでも強いストレッチ感を前モモに感じるが、腕を上げるとさらにストレッチ感が強くなる。
前後に動くとより強いストレッチ感を感じる。ヒザの下にはクッションを置くことを推奨する。(痛いので)

内転筋ストレッチ 内転筋の緊張低下

1.四つ這いになり、片足を横に伸ばす。
2.息を吐きながらお尻を後ろに動かす。

ONE POINT
内モモが伸びる感じがある。
ヒザが曲がるとあまり伸びないので、ヒザを伸ばす。
後ろに下がるほどストレッチ感は強くなる。

シングルレッグヒップリフト 殿筋群の強化

1.仰向けに寝て、両ヒザを曲げて片足を胸の前で抱える。
2.そのままもう片方の足に力を入れてお尻を持ち上げる。

ONE POINT
高く上げることよりも、お尻に力が入る感覚を感じる方が重要。ヒザの角度が大きいとモモ裏を使うようになる。

スプリットスクワット 下肢筋力の向上

1.立位の状態で片足を少し後ろにつく。
2.後ろに動かしたヒザから頭までが一直線になるように姿勢を維持しながら、体を下げる。
3.前足を力強く踏むように立ち上がる。

ONE POINT
体が床と垂直になるところから始めて、少し前傾になるようにすると前足への負荷が上がる。
姿勢が崩れないようにすることがポイント。前足のお尻を使う感じがあれば上手くできている。

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